PCのキーボードは英語配列に限る

TIPS

日本国内でパソコンを買うとまず日本語配列(JIS配列)のキーボードが付属しますが、私は敢えて英語配列(ASCII配列)のキーボードを使っています。

日本語配列と英語配列

タイプライターに起源を持つQWERTY配列のキーボードは、各国の文字入力の事情に合わせて、キーの位置や形が異なります。

下は、日本語キーボードと英語キーボードの写真です。

日本語配列(上)と英語配列(下)

英語圏では、ASCII配列と呼ばれる、エンターキーが横長のものがメジャーです。(エンターキーがL字型のISO配列というものもあります。)

一方、日本では「かな入力」を想定した日本語配列(JIS配列)のキーボードが使用されています。
左上の「半角/全角」キーや、スペースバー左右の「無変換」「変換」キーが特徴です。
キートップにはアルファベットに加え、「かな」も併記されていますが、大多数がローマ字入力している現状を踏まえ、見た目をシンプルにする目的で、かな表記無しのキーボードも増えてきました。

いずれにせよ、特に指定しない限り、日本国内でPCを購入すると、まず日本語配列のキーボードが付属します

英語配列のメリット

さて、日本であえて英語配列のキーボードを使う理由ですが、「ローマ字入力を擦るなら、英語配列(ASCII配列)のほうが合理的」と思うからです。

① 右手小指の負担が減る

先程の写真の、右手小指が担当するキーに色を塗ってみました。

ホームポジションで右手小指は「;」キーの上にありますが、
エンターキーを叩くには、日本語キーボードの場合3つ隣まで指を伸ばさなければいけません。
一方、英語配列なら2つ隣で済みます。

手首をずらして、エンターキーを「ターン!」と叩く必要はもうありません。
エンターキーと同様にバックスペースも大きく近くなり、打ちやすいです。

また、決して器用とは言えない右手小指が受け持つキーの数も少なくなります。

② 記号の配列が自然

英語配列のキーボードでは記号が整然と並んでいます。

例えば、対になる– = や [ ] が横に並んでいて位置を把握しやすいですし、
; : や ‘ ” はひとつのキーにまとめられ、シフトキーで入力する点も合理的です

日本語配列のキーボードは、記号キーを余ったスペースに適当に割り当てたように感じられます。

コードを打つお仕事の人たちは記号キーを多用するため、英語キーボードユーザーが多い印象です。

③ コンパクトキーボードとの相性が良い

英語配列はキーの数が少ないので、コンパクトキーボードやノートPCなど、スペースに制約がある場合でも自然な配列を保ちやすいです。
モバイルノート、あるいはファンクションキーやカーソルキーを省略した60%キーボードであっても、違和感なく使えます。

下の写真はThinkPad T590ですが、テンキー付きキーボードを採用したため、15インチのA4ノートにも関わらず一部の記号キーが狭くなっています。
わかりにくいですが「P」キーより右のキーの幅が少し狭い点がわかるでしょうか。

実際に使ってみると、しばしばミスタイプします。

ThinkPad T590

こういった理由で、ノートPCこそ英語キーボードにすべきだと考えています。
とはいえ、購入時に英語キーボードを選択できるノートPCは、ThinkPadとMacbookくらいなのですが…

英語配列に移行するデメリット

以上、英語キーボードの利点を紹介してきましたが、日本国内で日本語キーボードを使ってきたユーザーが英語配列に移行するにあたって、留意すべき点もあります。

① 半角/全角キーが無い

まずは、日本語入力システム(IME)を切り替えるのに使う「半角/全角」キーが無いことです。
一応「Alt+~」でIMEをオンオフできますが、頻繁に使う機能なので、私はカスタマイズしています。

  1. まず、ロクに使わないCapsLockキーをCtrlキーに入れ替えます。
  2. そして、IMEの設定で「Ctrl+Space」をIMEのオンオフに割り当てます。

すると、ホームポジションで、左手小指を少しずらしつつスペースキーを叩くだけで日本語入力を切り替えることができます。

使い慣れたら、日本語キーボードでキーボードの左上に手を伸ばすよりずっと速いので、日本語キーボードのPCでもCtrl+SpaceでIMEを切り替えるよう設定しています。

② 変換・無変換キーが無い

英語キーボードにはスペースキーの左右にある「無変換」「変換」キーもありません。

入力文字の変換中、全角カナや半角英数に一発変換するため使用していたので、乗り換え直後は不便に思っていました。ファンクションキーは遠いですし…
ただ、これも(IMEの設定によりますが)Ctrl+Iで全角カナCtrl+Tで半角英数に変換できることを知って解決しました。

③ 日本語配列と英語配列を併用すると混乱する

このようなメリットを感じて、英語キーボードに移行して数年経ちました。

最初はエンターキーを打ち損じたりしていたのですが、じきに慣れました。

しかし、日本で行きていく上で日本語キーボードと完全に決別することはできません。
職場の共用PCは当然ながら日本語キーボードですし、昔買ったノートPCも日本語キーボードです。

「@」の位置が違ったり、エンターキーの形が違ったり、そういうのは意外と適応できるのですが、どうしても慣れないのが ( ) の位置です。
英語配列も日本語配列も同じような場所にありますが、実はキー1つ分ずれています

今後、個人用のPCでは可能な限り英語キーボードを使っていくつもりですが、日本語キーボードを使うたび、括弧の入力でイライラが募ることになりそうです。